思考盗聴、脳内盗聴

以前より、何度か登場している「思考盗聴」あるいは「脳内盗聴」....


 
 
「思考盗聴」で検索すると、インターネット上にたくさん出てきます。
ある!と信じている方の理論が。
 
統合失調症における「妄想」の特徴の一つである、「自分の妄想につじつまの合う理論を構築」してしまう、という思考パターンです。
その理論の中にも、断片的な妄想が組み込まれています。
 
理論上は、脳内のシナプスを流れる信号は、微弱な電気信号の一種なので、それを検知し、どのような信号(何億とあるシナプス一つ一つの信号パターン)がどのような思考の時に現れるかをデータベース化し、解析する技術があれば、不可能と断定は出来ないかも知れません。
 
しかし、まず、その超微弱なシナプスを流れる信号一つを取り出す技術すら、現代の科学技術では不可能です。
現代の技術では、人間の脳内で考えてることを外部から科学的に把握する技術としては、脳内の活性度をマクロ的に測り、どの様な状況の時にどれだけ、どの部分が活動しているか?を解析する程度です。
しかも、これらは、脳内に電極を取り付けた場合の話しです。
被験者の体に触れずに、遠隔で上記のことを遂行するのは間違いなく不可能と言えるでしょう。
 
また、中には、脳内にその様なマイクロチップを埋め込まれ....
と言う方もいらっしゃいますが、いつ?と思ってしまいます。
 
現状では(おそらく100年レベルの将来では)、人の顔色(表情)を見て、推測する方が、遙かに確かだと思われます。
 
 
私の同業者の中には、果たして思考盗聴は可能なのか?大学教授に会いに行って「不可能」という結論を得てきた方もいらっしゃいます。
 
 
しかし、思考盗聴を信じている患者さんには、何を言っても受け付けてもらえないので、難しいところですね。
せめて、周りの方がこれを読んで、患者さんの妄想が大きくならないように気をつけてあげるしかなさそうです。